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公的年金における賦課方式と積立方式の違いとは?

年金手帳
公的年金制度の崩壊が危惧されてから久しくなりますが、年金のシステムには「積立方式」と「賦課方式」の2つがあります。

積立方式とは?

積立方式とは、現役の時に納めた保険料を積み立てていき、将来高齢者世代になった時に、積み立てておいた保険料を年金として受給する方式のことです。

また、積み立てた保険料は何らかの形で運用されるのが一般的で、その運用益が年金に付加されます。

要は、自分の年金を自分で積み立てるということです。

確定拠出年金や、保険会社が販売している私的年金などと同じ考え方と言えます。

賦課方式とは?

賦課方式とは、当年に現役世代から集めた保険料をそのまま当年の高齢者世代の年金の支給資金に充てられる方式のことです。

つまり、現役世代が高齢者世代の年金を支える形になります。

基本的に、各年度ごとに収支が均衡するように設定されています。

年金の支給方法の説明

①給与額に比例

現役時代の所得水準(給与水準)に比例した給付を受けられます。

つまり、高い給与を受けていた人ほど高額な保険料を納めていたため、年金額も高額になります。

②生存している限り受給可能

生存年齢によって年金の支給額が制限されることはありません。

従って、長生きすれば現役時代に納めた保険料より多く年金を受給することが可能になり、若くして亡くなれば納付保険料より少ない額の年金しか受給しないことになります。

積立方式のメリット

①年齢構成の変化における影響が少なくなっています

積立方式の場合、世代ごとに現役時に積み立てたお金を基にして年金を受給します。

従って、各世代の積立金がそれぞれ他の世代から独立しているため、人口の多い世代、少ない世代での問題は生じません。

つまり、少子化の影響を受けないということです。

②公平性が確立できます

基本的に自分で納めた保険料を自分の年金として受け取るシステムであるため、公平性が高く、世代間での不公平感が出ないというメリットがあります。

積立方式のデメリット

①インフレの影響をもろに受けます

積立方式の場合は保険料を長年に渡って積み立てていくため、年金を受給する時にインフレになっていると、積立時のお金の価値が目減りすることになります。

つまり、1万円で買えた物が2万円出さなければ買えないとなると、生活が破たんします。

実は、年金制度は当初積立方式になっていましたが、このインフレのデメリットが大きかったため、賦課方式に換えられました。

②運用面でのリスクがあります

積立方式ではインフレなどの対策として、積み立てた保険料が運用に回されます。仮に、運用に失敗すれば年金資金が減少することになります。

また、積立金は国民全員から長年集めるために膨大な金額になり、運用のリスクが大きくなります。

さらに、膨大な金額であるだけに市場に与える影響など、経済面での問題も発生します。

賦課方式のメリット

①インフレの影響を受けません

賦課方式は年度ごとに現役世代から集めた保険料を高齢者世代への年金の支給に充てるため、物価の上昇や生活水準の変化の影響を受けません。

仮に、インフレになったとしても、現役世代の給与が上がるため(保険料の納付が増える)、年金の給付額もアップできます。

②人口の増加によって分配が楽になります

現役世代の保険料で高齢者世代の年金を賄うため、現役世代が増えれば必然的に年金の分配が容易になります。

賦課方式のデメリット

①世代間の不公平問題が発生します

賦課方式で一番難しいのが世代間の公平性の確立です。

つまり、高齢者世代の年金の給付水準を上げると、現役世代の負担が増し、現役世代の負担を軽くすると、年金の給付水準を下げざるを得ません。

②少子化社会では破たんする可能性があります

現在、年金制度で最も問題になっているのが少子化です。

つまり、現役世代の数が減っているため、高齢者世代の年金資金の確保が厳しくなっています。

例えば、高齢者世代を現役世代5人で支える場合は現役世代1人当たりの負担は5分の1で済みますが、現在は高齢者世代を現役世代3人で支えるようになっており、現役世代1人当たりの負担は3分の1と重くなっています。

しかも、2050年には現役世代1人で高齢者1人を支えなければならないと試算されています。

高齢者ほど貯蓄額が多いのにもかかわらず、貯蓄が少ない若者が高齢者を支える図となっており、非常に厳しい構図です。

世代というのは、文化や考え方も全く違うものになったりします。

例えば、現役世代はお金借りるならカードローンですが、高齢者は借金をする時点でマイナスイメージが非常に強くなっています。

昔、サラ金が社会問題にもなったからです。しかし、今の世代はサラ金という言葉さえも知らない人が増えてきています。

このように、高齢者と現役世代では、考え方も違う中で、将来的に負担が増えるのは、厳しい事です。

現在の日本の年金制度は一定の年金積立金を保有してはいますが、原則的に賦課方式が採用されています。

なお、少子高齢化が進む日本では「保険」で運営することにひずみが生じているため、「税金」での運営が検討されています。

現実に、国庫負担と言って、国から保険料の3分の1が補助されており、将来的には2分の1まで増えることになっています。

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